こんにちは。
僕は3年間やっていた警察官を先日辞めました。
そこで今回は、警察官の仕事について僕の経験も踏まえ、説明しようと思います。
まず前提として、警察官は公人であり守秘義務というものが法律で定められています。
これは辞めた後も例外なく、守らなくてはいけない義務です。
地方公務員法第34条 (秘密を守る義務)
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
最初に断っておきますが、僕は警察官の仕事を批判する気は一切なく、むしろ感謝しています。
辞めた理由などについては別の記事で書いてますが、基本的に前向きな理由です。
こんな人にオススメ
- 警察官の仕事に興味がある
- 警察官になってみたい
- 警察官の仕事って大変って聞くけど、実際どうなの?
こんな人へ向けた記事です
この記事を書いた理由は、警察官の口コミサイトを見ても現職の人ばかりですし、辞めた人の発信が少ないなぁ感じたからです。
正直、警察官の仕事をどう感じるかはその人次第だし、環境や人間関係で大きく変わってきます。
ですので、僕の意見も参考程度でお願いします笑。
僕自身も辞めた人の意見を参考にした部分があるので、、、
僕の記事が、誰かの役に立てれば嬉しいです。
では、さっそくはじめていきます〜♪
警察官の仕事とは
「警察官の仕事って何するの?」と思っている人もいると思います
地域の「お巡りさん」と刑事、、、くらいしか思いつかないのではないでしょうか?
僕も入ってから色々な仕事があると知りました笑
地域警察
交番や駐在所を拠点に、初動活動を中心に地域の安全確保を担います。
※初動活動・・・一番最初に現場に行くことの意味。
- 管内のパトロール
- 遺失物・拾得物対応、地理案内
- 事件・事故の初動対応
- 交通指導取締まり、相談対応
交通警察
交通指導取締まり、ひき逃げ事件・交通事故の捜査などを行います。
- 交通指導取締まり→切符きり
- 交通事故捜査
- 道路標識の整備、道路使用許可
- 運転免許に関する業務
刑事警察
殺人や強盗などの凶悪犯罪や知能犯罪、窃盗犯罪、薬物・銃器犯罪などに対応し、鑑識とも連携して事件解決にあたります。
- 事件の捜査、聞き込み等
- 犯人の取り調べ
※鑑識係として、鑑識作業(指紋採取やDNA鑑定など)を専門とする仕事もあります。
生活安全警察
DVやストーカーなどを中心に、犯罪の取締まりや防犯対策を行います。
- 子供・女性の安全対策(DV、ストーカー、性犯罪など)
- 少年犯罪対策
- 風俗営業、古物営業、鉄砲等の許認可
警備警察
災害時の救助活動、祭礼・イベントなどの警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙、要人の警護などを担当します。
- 要人警護
- 治安警備
- 国際テロ対策
- 災害救助(水難救助・山岳救助も含む)
大体このような仕事だと思って下さい
これらの情報はネットとかでも載っています(県警でも公表)
もっと詳しく知りたい方は「警察官 仕事🔍」でお願いします。🙇♂️
警察官と言っても仕事が多様にあって、専門的な部分は僕自身もほとんど分かっていません笑
3年くらいの経験では、仕事のごく一部をかじったくらいなので、、、笑
警察官人生の流れ
1年目・・・警察学校に入る(約6ヶ月)
地域警察として〇〇署の△△交番に勤務
2年目・・・地域警察として□□署に勤務。
3年目・・・地域警察として♢♢署に勤務。
僕はこんな感じでした。警察学校を出てから地域警察を2年半やりました。
警察官になって最初の3年は、95%以上僕と同じような道を進むと思います。
どの都道府県でも、たぶんこんな感じです。
警察の流れ、キャリアみたいなのでいうと
警察学校 → 地域警察 →刑事、生活安全、交通、警備など
こんな流れですね。警察学校を出た後は、まず地域警察を経験して、自分の行きたい部門(刑事、交通など)を決めてその部門のスペシャリストを目指していくといった感じです。
- 刑事を30年以上やっているベテラン
- 交通、生活安全、地域とマルチにやっている方
- 地域が好きで(悪いやつを見つける)何十年もやっているベテラン
本当に色々な人がいます。希望して行く人もいれば、人事の判断で勝手に決まることも、、、。(これは一般企業と同じかも)
専門的な部門も希望したら絶対行けるわけではなく、実績なども加味して選ばれるって感じです。
後は、これに階級がついてきます。
警察組織は完全に実力主義なので昇任試験に合格すれば階級が上がっていきます。
○警察官の階級
巡査(巡査長)→ 巡査部長 → 警部補 → 警部 → 警視 → 警視正 → 警視長 → 警視監 → 警視総監
(会社で言うと 平社員 → 主任 → 係長 → 課長 → 次長・部長? → 本部長)
因みに昇任試験で上がれることができるのは、警部までです。
そして、警視正になると自動的に国家公務員の身分になるそうです。
また、警視監や警視総監は、キャリアの警察官のみがなれる階級となっており、スタートラインが違います。地方公務員法からの限界は警視正になるのでしょうね、、、雲の上の話だ😂(地方公務員法の警察官からなれるのは数人、、、?)
○アニメで説明すると
両津勘吉(りょうつかんきち) → 巡査長
中川圭一(なかがわけいいち) →巡査
秋本麗子(あきもとれいこ) → 巡査
大原大次郎(おおはらだいじろう) → 巡査部長
目暮十三(めぐれじゅうぞう)→警部(刑事部門、捜査一課)
○警察はピラミッド(階級)組織
警視以上はごく僅か(約3%)
警部のハードルは高い(約7%)
警察官のほとんどが巡査、巡査部長、警部補によって占められている。(約90%)
狭き門です笑
因みに僕は階級は巡査長でした。昇任試験は今年受けましたが、落ちました笑
経験して思ったこと
警察学校(入校〜6ヶ月)
まずは警察学校です
短期(大学卒)なら6ヶ月、長期(高校卒)なら10ヶ月になります。
カリキュラムの内容はほぼ同じですが、長期の方が若い人が多いので(高卒してすぐ警察とか)、じっくり時間をとって勉強させるという感じでしょうか、、、。詳しくは分かりません。※僕は短期です(大卒ストレート)
日中は学校で授業、夜は学校併設の寮で過ごします。
朝はトレーニング(ランニング、筋トレ等)、日中は授業(法律などの専門知識、現場に出た時に必要な資格の取得等)、夜は寮で過ごす。これの繰り返しです。
平日の5日間はこの1日の繰り返しで、土日が休みになります。
大雑把にこんな感じです笑
もっと詳しく知りたい方は、「警察学校で学ぶこと🔍」とかで調べてください🙇♂️
都道府県ごとで違いはあると思いますが、僕はさほど変わらないと思います。
それでは警察学校の経験を通して、僕が思ったこと3つ紹介したいと思います
- 規則が厳しい
- 勉強は暗記
- トレーニングはそれほど
僕はこう思ったというだけです笑
はっきり言って、こればっかりは十人十色。
警察学校が辛いと思う人もいれば、ラクだと思う人もいるわけですから。
僕にとっては規則が厳しかったという点で辛かったですが、辞めるほどではない耐えれるレベルでした。
本当に嫌ならこの時点で辞めていると思いますし、最初から規則は厳しいというのはある程度分かって入っているので、仕方ないことだと割り切っていました。
○規則が厳しい
- 寮生活も時間で管理(自由時間、風呂、ご飯、自習、就寝等)
- 団体行動 →(とにかく合わせる。出来なければ連帯責任)
- 服装
とにかく決まりが多く、僕にっては「時間に縛られる」といった感覚があり、苦しかったところがありました。僕はマイペース人間なので笑。
団体行動に関しては、常に皆んなで動くので、自由な行動はできませんね。サボるなんて出来ない、、、(やってる人はやってたかもしれませんが笑)
服装とかに関しては慣れるまでが辛いって感じです笑(常にアイロンをかける、、、靴下は白!みたいな、、、笑)
でも、苦に思わなかった人もいたわけで、その人がどう思うかですね😂
○勉強は暗記
警察の仕事は法律が全てです
そのため、授業も法律関係ばかりで覚えることが多いですね。
しかし、時間をかけてしっかり暗記すれば、授業もテストも大丈夫だと思います。
今思うと、成績が良かった人はしっかり勉強してましたね(暗記に時間をかけていた)
僕は全然成績良くなかったですが笑(A〜C評価ではC😂)
○トレーニングはそれほど
僕はずっと部活をやっていて体力には自信があったので、大丈夫でした。
朝の6時ぐらいから毎朝走るわけですから、辛いのも無理ないと思います。
ただ、ついて行けなくなったからといって、辞めさせられるわけじゃないので安心してください。
一緒に走っている教官も辛いと思うので、、、共感してくれると思います。教官だけに…。
ーーーーーーーーーー
正直、警察学校で辞める人も多くいます。
色々な理由があると思いますが、警察という組織に合わせることができるかどうか(規則が厳しい中で集団行動をやっていけるかどうか)だと思います。
警察学校期間は会社でいう研修期間のようなもので、その期間にしっかりルールを守ることが出来るかどうか(プライベートも含めて)を見ている(試されている)と思います。
警察学校自体、合わない人(この組織に合わせられない人)を篩に掛ける(ふるいにかける)訓練の場所みたいな感じです。
こんなことを言うと、相当辛そうなイメージをしそうですが、、、笑
僕は授業も楽しかったし、トレーニングで身体も鍛えられたし、同期のみんなとも仲良くできました。
また、転職で警察に入ってきた年上の先輩が言っていたことですが
「勉強しながら、お金(給料)がもらえるなんて、こんな有難いことないぞ。一般企業じゃ有り得ないから。」
そう言っておられました。確かにそうですよね。
警察学校が厳しくて、警察官になろうか迷っている人がいるとすれば、そこは安心してもらっても良いのかなと思います。
警察官になりたい意思があれば、続けられると思いますし、正直現場に出てからの方が大変です。
これは、現場に出た警察官の大半の意見です笑
参考まで!
地域警察官(7ヶ月〜3年)
警察学校を出た後は、地域警察官として交番などに勤務することになります。
因みに、1年目で地域警察を少し経験した後に、刑事や交通などの専門分野の研修もあったり、警察学校に戻る期間もあります。
僕は交番勤務からスタートし、2年目、3年目と異動があったのですが(これは珍しい)仕事の内容自体は同じでした。
主な業務としては
- 管内のパトロール
- 遺失物・拾得物対応、地理案内
- 事件・事故の初動対応
- 交通指導取締まり、相談対応
皆さんが街で見かける制服を着た「警察官」です
基本はパトロールを通して、犯罪の予防・検挙に努めるって感じです。
テレビで放送されてる「警察24時」のイメージも強いのではないでしょうか?
それでは地域警察の経験を通して、僕が思ったこと3つ紹介したいと思います
- 書類が多い
- あまり褒められない
- 何でも屋さん
これに至っても十人十色です😂
警察学校の方が辛いと言う人もいるので、、、(でも皆の意見を聞くに現場の方が辛い。僕も同意。)
○書類が多い
僕が現場に出て最初に思ったのが「警察の仕事って書類を書くことが多いんだなぁ」ということです。
警察の仕事として、犯人を捕まえた際に「この日に起きた事件で、、こいつが犯人で、、これが証拠です」といった膨大な報告書を検察官に送ることになります。
その報告書を基に、検察官が起訴するかどうかの判断をするわけですから曖昧な資料では駄目なんです。
だから書類が多くなるんですよ😂
また、交通取締まり・事故・相談・遺失物・拾得物、、、も全て書類を書きます。
記録として残すといった感じでしょうか
今でこそパソコンで書類を作れますが、昔はすべて手書きだったとか、、、
まぁ正直慣れるまでって感じですが、、、警察官に今からなりたいと思う人は意外に書類が多いというイメージを持っておくといいかもしれません。
○あまり褒められない
これは当たり前というか、仕方のないことなんですけど、違反者や犯罪者、警察に注意を受けるような人からしたら「警察官=嫌なやつ」ですよね笑
みなさんも交通の切符とか切られたことないでしょうか?
どちらかというと「嫌われ役」です笑
市民の方から褒められることも、もちろんあります。
ただ、1日の仕事の中で対応する相手が違反者などが多いため、必然的に「嫌われ役」になることが多いです。
「結果的に市民や社会の安全・安心を守ることに繋がる」という使命感を強く持つことができれば、問題ないのだと思いますが、僕にはちょっと難しかったです笑。
でも、警察がいないと社会のルールも全て無視され、犯罪が蔓延る(はびこる)世の中になると思うと、とても意義のある仕事だと僕は思います。
僕は辞めた身ですが、警察官は意義のある立派な仕事だと思います。〜敬意を払いたい〜
○何でも屋さん
警察官をやっている方なら、共感していただけると思います笑。
正直なところ、警察の関わる範囲は非常に広いです。
例えば、
- 火事 → 消防
- 交通事故 → 保険、道路管理者(市役所)、病院
事件に繋がりそうな点があれば疑いをもって警察も行くため、様々な分野の人と接する機会があります。
そういう意味で、警察の関わる仕事は非常に広いです。
「色々な人と関わりたい、色々な仕事をしてみたい」そういう方にとっては、とてもやりがいのある仕事になるんじゃないかなと思います。
僕は色々な分野の人と関われて良かったと思っています
また、主な業務は上記で述べた通りなんですけど、もし通報があれば基本どんなことでも駆けつけます。
困ったら警察に連絡、、、って方もおられるので。
例)「○○にゴミが落ちているので拾いに来てほしい。」「酔っ払って帰れない。パトカーで送ってほしい」※パトカーはタクシーじゃないので、送りませんよ笑。その場でタクシー見つけて帰らせます。
(心の声)こんなことで警察を呼ばないで、、、
そんなことも多いわけで、、、すみません。愚痴ってしましました。
とにかく、「仕事が多伎にわたる」という意味で『何でも屋さん』です笑
県民の安全・安心を守る。これが警察官の仕事です。😂
警察のメリット・デメリット
僕が感じたメリット・デメリットを紹介します。
○メリット
- 公安職なので給料がいい
- 「安定」を得られる
- 世間体がいい
公務員の中でも給料は良い方です(命の危険もあるなので、、、😂)
また、不祥事を起こさない限り辞めさせられることもありません。(コロナの影響も全く受けませんでした)
そして、世間体もいいです。住宅ローンが組みやすいらしいです。
(出典:こちら亀有区公園前派出所)
◯デメリット
- プライベートの自由が制限される
- 辞めるリスクが大きい
上記でも述べましたが、プライベートは一般の人より自由は制限されます。
プライベートであっても警察官であることには変わりないので、、、😂
また、僕は辞めるリスクが大きいと感じます。
- 転職しづらい
- 転職で年収は下がる
- 周りから「問題を起こした」と疑いの目が向けられる
確実に転職には不利だと思います(歳を重ねれば重ねるほど)
警察官のスキルが活かせる職業があれば良いのですが、ほぼないです笑
市民の方と接したコミュニケーション力、辛い訓練に耐えた忍耐力、、、とかでしょうか。
転職で強くアピールできる程のスキルはないと思います、、、😂
人にもよりますが、これから転職を見据えて(長く続ける気はないと考えて)警察官になるのはオススメできません。
後は、安定している警察官を辞めるということは「何か問題を起こしたのではないか?」と疑いに掛けられます。😂
転職の面接でも「何で辞めたの?」と絶対聞かれます
一般企業を辞めた人より、興味津々で。笑
たぶん一生聞かれます笑。なので理由を堂々と言えるようにしておきましょう。
安定していて給料が良いメリットがある分、辞めた反動(デメリット)が大きいのかなと思います。
自分の人生をしっかり考えよう!
最後に
僕は冒頭で「警察官という仕事を批判する気はない」と言いましたが、全体的にマイナスな内容になってしまいました。
申し訳ありません😂
でも、警察官という仕事は意義のある重要な仕事です。誇りを持っている人も多くいます。
教官が言っていました
『誰かがやらなければいけない。その”誰か”が警察だ』
僕はこの言葉が好きです。
警察の仕事とはそういう仕事なんです笑
もし警察官になろうか迷っている人がいるのなら、僕はオススメします。
給料も良くて安定していますし、さらに警察の仕事でやりがいを見つけれれば最強だと思います笑
向いてるかどうかはやってみないと分からないので、興味がある方はぜひ挑戦してみて下さい。
大変長くなりました💦