考えるとは、どういうことか。知識と思考はベツモノ【自分のアタマで考える】

書評

こんにちは。

最近ツイッターをやり始め、140文字という制限がある中で、どうやったら上手く伝えられるかを考えなが投稿する日々を過ごしています。

そんな中、僕が最近読んだ本『自分のアタマで考えよう(著者ちきりん)』で「考えること」について深く言及され、とても分かりやすかったので紹介したいと思います。

著者:ちきりん

この本は、「自分のアタマで考える」ことの重要性を教えてくれます。

よく「自分の頭で考えろ」と言いますが、なぜわざわざこんな言い方をするのでしょうか?

誰も「他人の頭で考える」ことはで来ません

なのに、「自分の頭で考える」という言い方まで存在するのはなぜでしょう?

僕はこの本を読み、「考えること」の重要性について知ることができました。

僕が気付いたこと、知ってもらいたいと思ったことを伝えていきます。

この記事を最後まで読んもらうと、あなたも「自分の頭で考える」ことの意味を理解し、実践していけると思いますよ。

考えるとは

「考える」というのはむずかしい概念ですよね

「自分は今、必死で考えているんだ!」と主張する人の頭の中をのぞいてみると

ああ、どうしよう。困った。このままじゃダメだ。とりあえず様子を見てみようか?いやダメだ。それじゃ悪くなるばかりだ。なんとかしなくちゃ。でもどうすればいいんだろう?誰かに相談すべきだろうか?でも誰に?、、、、、、、、

という状態だったりします

これを僕たちは「考えている」と呼ぶでしょうか?これが「思考」でしょうか?

「考える」について調べてみたところ

考えるとは、「思考」を意味します。

思考は、考えや思いを巡らせる行動であり、結論を導き出すなど何かしら一定の状態に達しようとする過程において、筋道や方法など模索する精神の活動である。広義には人間が持つ知的作用を総称する言葉、狭義では概念・判断・推理を行うことを指す。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『へー』とはなりませんね笑

そこで本書では、具体例としてグラフを使った説明を上げています。

次で使うグラフは、自分がネットから取ってきたものですが、本書でも分かりやすいグラフと解説が書かれているので、そちらも参考にして下さい。

グラフから読み取る「思考」の方法

これは日本の産業別就業者数の割合を表したグラフです

このグラフを見て、「考えたこと」を書き出してみて下さい。

友人のFさんはこのグラフを見て、次のような意見を言ってくれました。

  • 経済成長が発展するにつれ、第一次産業から第二次産業、そして第三次産業へ以降している
  • 今後も機械化が進むことで、第一、二次産業の割合が減っていく
  • 第一次産業が減っていけば、農業の担い手が不足し、輸出に頼っていくことになるだろう

なるほど。どれももっともらしく聞こえますね。

しかし、このF意見は、本当にこのグラフを見て考えたことでしょうか?

むしろ、「グラフを見る前から知っていた」のではないか、と思えるのです。

もしもこの意見をグラフを見なくても言えたのであれば、それは「グラフを見たうえでの思考の結果」ではなく、Fさんがもともともっていた「知識」です。

逆に何も知らない人が見たらどう考えるだろうか?

本書では、ここでなんの知識もない留学生に考えてもらっていますが、僕にそんな友人はいないので、僕がなるべく知識がない状態を想像して、意見を述べてみます。

  • ここ最近は第一次産業の割合の減り率は下がっているし、もうあまり減らないんじゃないかな。
  • 第一次産業を減らせていけたのは、機械の進歩かな?どんどん機械化が進めば、人手も要らなくなるし、未来は明るいね。

どうでしょう?だいぶ本書に似せて書きましたが、、、笑

ここで少しまとめると

Fさん悲観的な意見

(仮想外国人):楽観的な意見

だと思います。では、Fさんの知識が入っている意見が悪いのかというと、そうではないです。

正直どちらも、何かしらのバイアスがかかっています。

Fさん農業の担い手不足が原因で、ますます第一次産業が減っていくと思い込んでいる

(仮想外国人):機械化が進めば、農業をする人が減っても大丈夫だと思っている

じゃあ、結局何なの?ってことですが、本書では

両方の理由をあげながら、「いいところと悪いところを比較したうえで、私は第一次産業が減っても未来は明るくなると思います」とか「両方を考えましたが、私は高い将来性はないと判断しました」と、いずれかの結論を選ぶのが、本当に「このグラフを見て考えた人」の回答だということです。

世の中の事象には、なんであれよい面と悪い面があります。

結論は各人が思うところをひとつ選ぶわけですが、情報を見て考えられることをすべて列挙せよと言われたら

よい面と悪い面の両方が出てくるのが、「知識にだまされていない純粋な思考」の結果です。

それでいうと、このグラフを見て「考えたこと」は

第一、二次産業の割合が減り、第三次産業が増えています。

このグラフだけでは分かりませんが、ひとつに機械化が進んでいることで、第一、二産業の人の仕事が機械に置き換わっていると考えられる。

今後も機械が進んでいくと思われ、第一、二次産業が無くなっていくという考え方もあるが、一方で私は、第三次産業をやりながらも機械を中心として第一、二産業を効率的に行えるような未来がくるのではないかと思う。

これは完全に僕の意見だし、本書でのグラフではないので、ツッコミたいところも多いと思います、、、。(僕の頭ではこの程度しか考えられません。)

とにかく、「よい面とわるい面それぞれ取り上げて、知識に騙されない純粋な思考をしようね」ということです。

意地悪ですが、このグラフの出典を貼っておきます。(労働力調査 長期時系列データ(総務省統計局)

出典や参考文献等がない情報の信憑性は薄いですからね〜

自分で考えて情報を選んでいきましょう〜

「知識」に騙されるな

上の図を見てください

Fさんは、日本の産業について色々知っているので、産業別就業者数のグラフを見たときに、様々な「知識」を自分の頭の中から無意識に引っ張り出してきています。

  • 農業の担い手不足だし、、、
  • 機械化が進んでますます第一・二産業が減っていくし、、、

そして、それらの知識に基づいて今見たデータを自分の知識に合うように解釈し

「ほら、やっぱり第一・二産業の未来は暗い!」

と断じてしまっています

だから、機械化というそれ自体悪いとも言えないものから「悪いところ」だけを抽出してしまうのです。

これは思考ではなく、知識による思い込みです。

しかも、やっかいなことに、多くの場合Fさんがもっているのは正しい知識です

正しいから誰も否定できません

でも、たとえ正しくても、それは知識であって思考ではないのです。

下の図を見てください

このように、知識はちょっと横に置いておき、得た情報から新たに考えて初めて、今まで見えていなかった結論にたどり着けるのです。

せっかく新しい情報を見たのに、すでに頭の中にある知識をひっぱり出してきたら新しい思考は生まれません。

「知識」は過去、「思考」は未来。

本書にはこう書かれています

知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは「未来に通用する論理の到達点」です。

知識の重要性を否定しているわけではありません

「知識と思考を異なるものとして認識しましょう」と言っているのです

一部の「知識」は「過去において、他の人がその人の頭で考えた結果」です

それを私たちは書籍や講義、報道などを通して学んでおり、自分の頭の中に知識として保存しています。

なにかを考えろ、と言われたときにそれを頭の中から取り出してくるのは、「他人の思考を頭の中から取り出してくる行為」に他なりません。

他人の思考は正しい場合もあれば間違っている場合もあります

また、現代社会ではマスメディアの影響も絶大です。

「金髪ピアスの20代の若者 = 信頼できない」

というイメージを持っている人も少なくないでしょう

しかし、そういう風貌で実際に信頼できない若者を現実に一人でも知っているのでしょうか?

「こういう風貌をしている若者は信頼できない」という知識を、ドラマや断片的なニュースからすり込まれているだけではないでしょうか?

このように、僕たちはしばしば他人の考えをまるで自分の考えであるかのように錯覚します

その意味で、「自分の頭で考える」=「誰かが考えたことではなく、あなた自身が考えたことが重要ですよ」と言っている。

自分の頭で考えること、それは「知識と思考をはっきりと区別する」ことからはじまります。「自分で考えなさい!」と言われたら、頭の中から知識を取り出してくるのではなく、むしろ知識をいったん「思考の舞台の外」に分離することが重要なのです。

まとめ

  • 自分の頭で考える」とは、知識と思考をはっきり区別すること。
  • 知識とは、他の人がその人の頭で考えた結果にすぎない。
  • 思考とは、知識をいったん横に置いて、自分の頭で考えること。

テレビなどのマスメディアなんか典型的ですよね

僕も含め、視聴者の多くがその情報を鵜呑みにしている気がします。

一方的な情報でデータなどを見せられ、”正しい情報”と思い込んでしまう。

解説者が言うから〜、専門家が言うから〜

僕も正直信じ込んでいました

その情報を疑ったことはありますか?

マスメディアもひとつの企業です。稼がなくては、やっていけません。

そのためには、視聴者に見てもらえるように、手を替え品を替え作り込んでいます。

問題なのは、正しいと思い込んでいて、”疑わないこと”にあると思います。

今回の話で言うと、テレビを見て得た情報を、あたかも自分で考えて得た情報と錯覚している状態ですね。

それは、テレビ制作者側が考えた情報。いわゆる知識にすぎません。

「本当にその情報はあっているのか?」と、いったん知識を横に置いて疑うこと。

そうすると、自ずといい面と悪い面が出てくると思います。(メディアは片方だけの情報を取り上げてる気がする、、、。)

それが本当の意味で「自分の頭で考えること」になります。

僕もこれから実践していきます

ありがとうございましたっ

書評
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警察官を辞めて自分らしく生きると決めたヤツ。